ただ、この音は他で も聞いたことがあります。
した がってここでは、 美しいメロディーで始まるものの 奏者によって弾き方が大変異なる「 月光」(14番)と、 簡潔な中に激しさと静けさの両面をそなえた 後期の傑作、30番 のソナタ を主な題材にとって、 ちょっとだけ比較してみ ることにします。
筆者はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンのピアノソナタ第14番「月光」という曲に感動し、2011に漫画アートを作りました。
「幻想曲風」とついた曲で、静かで、 ゆっくりとしたテンポの第1楽章からはじまり、 第2楽章、第3楽章と進むごとに速さと迫力を増していきます。
したがって国民性というものも、 幼い頃に周囲の価値を 吸い込むことで、ある程 度 その色が発現してきてしまう部分もあるのでしょう。
ベートーベンはクラシック音楽の流れを変えた、革命的な作曲家です。
フォルテの速さと均質さ、それは並大抵のことではなく、どこまでも揃っています。
そして、ベートーベンの特徴でもある、主題のメロディーを変化させ、 全曲を通して展開して、ひとつのストーリーを作っているのです。