両方に手がかりを教えようものなら、この事件も争いの種になるだろうね。
「で~」と説明を受けたら、の路線ではなくだと理解して欲しい。
出身はであるがは函館市内の私立。
これはどこかの洋服屋の 飾窓 ( ショーウインド )の中に在る蝋人形がそのまま抜け出して来て、ここに立っているのではないか……とあられもない事まで疑った。
この事実は一面から見ると彼等が米本国に家庭を持たない証拠である……彼等が一人残らず、一種の 無頼漢 ( ぶらいかん )、もしくは国際ゴロの集団である事を証拠立て得る可能性のある事実と認められるのであるが、もし又、そうでないとすれば、彼等は何等かの理由で表面上、本国との信書の往復を禁ぜられているものと見なければならぬ。
などはその代表例である。
それに壁の血書、無意識に眼の上あたりへ書いている。