翼はあるが飛べない。
そもそも塚本教授は、大学生時代、画廊の絵の発送業務を請け負う会社を立ち上げ、月70万円ほど稼ぎ、研究費にあてていた。
ダチョウの卵から取り出す抗体は1gあたり10万円程度で、通常1年かかるところ、2週間ほどと短期間で採取可能とあって、安価なワクチンを素早く、大量生産でき新興感染症のパンデミック(感染症の爆発的流行)に有効的な対応がとれる。
マスクの表面にウイルスが付着した瞬間に、不織布の織り目で、抗体がウイルスの感染力を奪う。
廉価なマスクだと、特有の変な匂いがしてイヤなこともありますが、これは無臭(ダチョウの匂いもしないです…笑)で、何より「マスクをつけている違和感やストレスを感じにくい」ところが素晴らしいと思っています。
飼育されているダチョウは、どれだけ世話をしても、人間の顔を覚えない。
でも抗体があると、抗体が新型コロナウイルスにくっついて、細胞の中に入り込むのを防いでくれるんです」と塚本さん。
獣医師免許を取得した後は、大学院で研究を続けながら、夜間対応可能な「往診専門病院」を開設した。