そしてことに彼の想像力の奔放なはげしさと 溌剌 ( はつらつ )たる清新さとは、私の魂を燃え立たせるように感じた。
二人ともなにか考えこんでいたらしく、少なくとも十五分間はどちらからもひと言もものを言わなかった。
その声を一人の証人は『鋭いというよりも耳ざわりな』ものと言っている。
ヒグマは金毛を交えた黒褐色の雄で、重さ340kg、身の丈2. また、四、五人もの人間が力を合わせてやっと引き おろすことができたほど、その隙間にそんなに強く死体を突き 上げた力というのはなんと大したものか! ということを考えてみたまえ。
それはその通りだと思う。
が、炉のなかに非常に多量の 煤 ( すす )が認められたので、煙突のなかを探ってみると、(語るも恐ろしいことだが!)頭部を下にした娘の死体がそこから引き出された。
『羆風(くまかぜ)』(戸川幸夫 著) - 初出『』1965年8月号。
それからすぐ我に返って、ひどくびっくりした。