トルネード」「えん罪弁護士」などさまざまな番組を手掛け、「プロは技術論で語るべし」を持論とするNHKエデュケーショナルのディレクター・佐々木健一氏を聞き手に、現役テレビ制作者が番組をいかにち密に作っているか、その方法論や技術論を丸裸にしていきたい。
柔和な笑顔で「Z案件」をこなす。
それぞれ感じてもらいたいなというのがひとつと、それでもあえて言うのであれば、 自分たちがかたくなに信じてきたこと、絶対そうあるべきと思ってきたことと、一回決別しないと再生するのは難しいかもしれない。
土方 なぜ、『さよならテレビ』がそういう番組になったのかをひもといていくと、これはまあまあ、佐々木さんとつながってくるんですけど……(笑)。
いかにも真面目なドキュメンタリーに見えるが、実は今作は「喜怒哀楽」が随所に散りばめられており、エンターテイメントとして成立しているのだ。
内容は「テレビの現状はどうなっているのか」というテーマで、東海テレビのディレクターが、同局の報道部を長期取材したドキュメンタリーだ。
そのうちの一人は、入社16年目のアナウンサーで、彼が夕方のニュース番組のキャスターに抜擢されるシーンから始まる。