なにやらもの凄い存在感を葉月は感じ始めていた。
さっきまで保健室で美雪ちゃんと一緒に特訓を受けていた、お嬢様たちよ」 恵子が答えた直後、スラリと背が高く髪の長い一人のお嬢様が美雪の顔に顔を近づけた。
でも……葉月はこれだけ聞いたら充分だと思った。
「昔って?」 思わぬ突っ込みに葉月はおののいたのだが…… 「和人、お兄ちゃん呼んできてくれる?」 「あ。
周囲には、大学時代に大学オケに所属していて そのまま社会人になってからは、OBオケに所属し続けている 者が多いです。
でも……今の葉月は、肩の痛みより……『心が痛い』 ため息をつきながらリビングに戻ると、美沙がキッチンで夕食の支度をしていた。
「私はね……『弟』が一人いるの」 「そうですか……」 「勿論、隼人より年上だけどね? もう、結婚して両親と同居しているわ」 「従兄は結婚していませんが、女の従姉の方は二人とも結婚して鎌倉を出ています」 そんなお互いの家庭環境を世間並みに紹介し合う会話。
きっと……それと一緒なのだと。