真に価値のある仕事とは何かを問い直す内容といいます。
以前バイトとして勤めていた出版社で、最初の3カ月間、新人の私に与えられた仕事は本棚整理でした。
私みたいな経済学者よりもはるかに長い歴史的射程を持つ人類学という分野からの指摘のわりには、グレーバー氏のこの結語は「 人は命令では動かない」という人性の大本を踏まえない、いささか短絡的なものと言わざるをえない。
僕は若い頃から、ずっと疑問だったのです。
こういう「なんでこれが仕事として成り立っているのか理解困難」な事例が多数出てくるのです。
実際の人間の仕事は、つくるだけでなく育て保ち気遣う「ケア」の領域が(歴史的にも)多くを占めていて、その社会的価値ははかりしれないのに、合理化の名の下に数値化し、管理可能なものにしようとする。
相次ぐ不法投棄、住民のクレーム。
今回は、インパクトが大きかったという邦訳書『ブルシット・ジョブ』をきっかけに、「仕事」について考えさせられた本を紹介してもらいました。