私の散歩の癖を知っているから、ここで待ち伏せていたのであろう。
「見てよ……これ、ヒツジじゃない。
彬は本気で私に子供を産ませようと思っているようで す。
「きみのすきな花は、なにもあぶなくなんかない……ヒツジにくちわをかいてあげる、きみのヒツジに……花をまもるものもかいてあげる……あと……」どういっていいのか、ぼくにはよくわからなかった。
その子は、この友だちをたすけたかった。
お母さんイっちゃったみたい。
』見ているのは、白樺の木だけではなかった。
その飾り窓には、 野鴨 ( のがも )の 剥製 ( はくせい )やら、鹿の角やら、いたちの毛皮などあり、私は遠くから見ていたのであるが、はじめは何の店やら判断がつかなかった。